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子どものむし歯予防に!フッ素塗布の効果、安全性と始める時期について

2024年10月2日

▼目次

1. 子どもの歯に対するフッ素の3つの効果

2. 子どものフッ素塗布は何歳から始めるべき?

3. フッ素塗布は安全?フッ素に関する疑問

4. フッ素塗布の流れ

子どもの歯をむし歯から守るために、フッ化物(以下フッ素)塗布が効果的であることは広く知られています。
しかし「フッ素の安全性は大丈夫?」「フッ素塗布は何歳から始めるべき?」「フッ素塗布の頻度はどれくらい?」といった疑問を持つ親御さんも多いのではないでしょうか。
この記事では、フッ素塗布の効果や安全性、フッ素塗布の流れについて詳しく解説します。

1. 子どもの歯に対するフッ素の3つの効果

フッ素にはむし歯を予防する効果がありますが、具体的にはどのような効果があるでしょうか?
ここでは、フッ素の3つの効果について詳しく解説します。

①酸に強くなる

フッ素の最も大きな効果の一つは、エナメル質を強化することです。エナメル質は歯の最外層にあり、歯を保護する役割を果たしていますが、むし歯菌が酸を生成すると、その酸によってエナメル質が溶かされてしまう可能性があります。
フッ素はエナメル質に浸透し、酸に対してより強い「フルオロアパタイト」と呼ばれるものを形成します。これにより、子どもの歯は酸に対して耐性を持ち、むし歯になりにくい状態を作り出します。

➁再石灰化の促進

子どもの歯は大人に比べてまだ成熟しておらず、酸によってエナメル質が溶けやすい傾向があります。しかし、フッ素は溶けかかったエナメル質の修復を助ける「再石灰化」のプロセスを促進します。
再石灰化とは、歯の表面に再びミネラルが取り込まれ、エナメル質が元の状態に戻ることを指します。フッ素がこのプロセスをサポートすることで、初期段階のむし歯が自然に修復される可能性があります。これにより、子どもの歯がむし歯から守られます。

➂むし歯菌の抑制

フッ素には、むし歯菌そのものの活動を抑える効果もあります。むし歯菌が酸を生成すること自体を抑制することで、歯が酸によってダメージを受けるリスクを減少させます。特に、定期的にフッ素塗布を行うことで、口腔内のむし歯菌の増殖を防ぎ、長期間にわたりむし歯予防に貢献します.

2. 子どものフッ素塗布は何歳から始めるべき?

では実際に何歳からフッ素塗布を始めるのが最適なのでしょうか?
ここでは、フッ素塗布の適切な開始時期とその理由について詳しく解説します。

適切な開始時期は乳歯が生え揃う1歳~1歳半頃

フッ素塗布を始める最適なタイミングは、乳歯が生え揃う1歳~1歳半頃がおすすめです。
生え始めの乳歯は、歯質が弱くむし歯リスクが高まる時期です。早い段階でフッ素塗布を行うことで、フッ素の効果を最大限に引き出すことができます。

フッ素を塗布する頻度は3ヶ月から6ヶ月に1回

子どものフッ素塗布は、3ヶ月から6ヶ月に1回のペースで行うことがおすすめです。
この頻度は、個々のむし歯リスクや歯の状態によって異なる場合もあります。
むし歯のリスクが高い場合は3ヶ月に1回の頻度でフッ素塗布を行うことがおすすめですが、むし歯のリスクが低い場合は半年に1回のフッ素塗布でも十分な効果を発揮します。

3. フッ素塗布は安全?フッ素に関する疑問

フッ素塗布の安全性について不安を感じる方もいるのではないでしょうか。
ここでは、フッ素塗布に関する安全性について詳しく解説します。

フッ素塗布の安全性と適切な使用量

フッ素がむし歯予防に非常に効果的であることは、多くの研究で証明されています。歯科医院で行われるフッ素塗布は、専門の歯科医師や歯科衛生士が適切な濃度と量で行います。親御さんが懸念されるような「フッ素の身体への害」は、適切に管理された量であればほとんど心配ありません。
また、当院では、塗布量や濃度(ppm)は年齢(幼児なのか成人以降か)で使い分けています。

フッ素中毒とは?

フッ素中毒は、適量以上のフッ素を摂取したときに起こる可能性がありますが、正しい使用方法を守れば心配ありません。フッ素中毒には慢性フッ素中毒と急性フッ素中毒の2つのタイプがありますが、どちらも非常に稀なケースです。

慢性フッ素中毒

これは、長期間にわたって適量の2〜3倍のフッ素を摂取し続けた場合に発生します。低濃度のフッ素を含む洗口液や歯磨き剤、フッ素入りの水を誤って多量に摂取することが原因で、骨硬化症や歯に白斑が現れる「斑状歯(はんじょうし)」になることがあります。しかし、通常の使用範囲ではこのような症状が現れることはほとんどありません。

急性フッ素中毒

一度に大量のフッ素を摂取した場合に発生します。急性フッ素中毒の症状には、吐き気、嘔吐、下痢などが含まれます。この中毒の目安は、体重1kgあたり2mgのフッ素を一度に摂取した場合です。例えば、体重20kgの子どもが40mg以上のフッ素を一度に摂取した場合にリスクがありますが、通常の歯磨きや歯科医院でのフッ素塗布でこのような量を摂取することはありません。

4. フッ素塗布の流れ

恵比寿歯科・矯正歯科では、子どものむし歯予防のためのフッ素塗布を行っています。
ここでは、フッ素塗布の流れについて解説します。

①口腔内のチェック

フッ素塗布を行う前に、歯科医師や歯科衛生士が口腔内をチェックします。
むし歯の有無や汚れの状態を確認し、むし歯がある場合には、先に治療を行います。

②歯のクリーニング

フッ素塗布の効果を最大限に引き出すために、歯の表面を清潔にする必要があります。
専用の器具やブラシを使って、歯の表面に付着したプラーク(歯垢)や汚れを丁寧に取り除きます。

③フッ素の塗布

フッ素を歯の表面に塗布します。
余分なフッ素がある場合は、軽く拭き取ります。

フッ素塗布は、子どもの歯をむし歯から守るための効果的な方法です。
歯が生えてから定期的にフッ素塗布を行うことで、歯を強化し、酸から歯を守る重要な役割を果たします。
恵比寿歯科・矯正歯科では、専門的な知識と豊富な経験を活かし、0歳の子どもから歯の健康をサポートしています。
むし歯予防に関するご相談は、お気軽にお問合せください。

 

監修:恵比寿歯科・矯正歯科
院長 中富

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